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PRで成果を出す企業が選んでいる「広報業務委託」とは。活用のポイントを解説


広報施策を続けているものの、思うように成果につながらない。広報の重要性は感じているものの、何から手をつけるべきか分からない。このような課題を感じている企業も少なくありません。
情報発信の場が増え、求められる情報の質のレベルも高まる昨今、広報は高い専門性と継続的な成長が求められる領域です。そのため、内製だけで成果を出し続けることは容易ではなくなりつつあります。

そこで注目されているのが「広報業務委託」です。本記事では、その基本的な役割から具体的な活用ポイントまでをご紹介します。


●広報業務委託が注目されている背景

多くの企業が広報の業務委託・外注を検討する背景には、広報・PR・広告・マーケティングに関する環境の変化と、広報という仕事ならではの難しさがあります。


 ⚪︎広告にお金をかけても成果が出にくい時代になった

以前は、デジタル広告に予算を投じれば、ある程度の認知拡大やコンバージョンが見込めていました。しかし、あらゆる企業がデジタル広告に参入したいま、競争が激化してCPA(顧客獲得単価)は上昇し続けています。その結果、かつてのような費用対効果を得ることは難しくなってきました。

また、広告が増えた結果、ユーザーは広告を自然に読み飛ばしたり、売り込み感への警戒心を高めたりするようになり、広告そのものの信頼性が少しずつ低下してしまいました。

広告においては、プラットフォームのアルゴリズム変更やCookie規制の強化など、これまでの手法が突然通じなくなるリスクも常につきまといます。こうした状況から、広告に頼らない広報・PRへの関心が高まっています。


 ⚪︎意思決定において信頼が重視されるようになった

情報があふれる今、人びとが商品やサービスを選ぶ基準は、機能や価格から「信頼できるかどうか」へと移り変わってきています。

広報・PRが担う、メディアへの掲載・口コミ・SNSでのリアルな評価などの第三者からの評価は、企業が自ら発信する広告以上に高い説得力を持ちます。

そのため、広報は企業への信頼という無形資産を育て、購買行動やブランド価値の醸成にも直結する「経営上の重要な機能」として捉えられるようになってきました。


 ⚪︎内製だけでは広報機能を維持することが難しい

広報に力を入れたいと思っても、社内だけで運用し続けるのはなかなか大変です。なぜなら、現代の広報担当者に求められる業務は、以下のように広範囲にわたるためです。

・広報戦略の設計:誰に、何を、どのタイミングで届けるかのロードマップ作成

・コンテンツ企画: 社会の関心やトレンドと自社を掛け合わせた切り口の発案

・メディアリレーション: 記者や編集者との継続的な関係構築

・情報発信: プレスリリース作成・SNS運用・オウンドメディアの執筆

・効果検証: 掲載結果の分析や次の施策へのフィードバック

広範囲な業務であるにもかかわらず、多くの企業では広報担当者が1人、あるいは他部署との兼任というケースが珍しくありません。

また、広報は個人のスキルや人脈に依存しやすく、担当者が辞めたらノウハウが消えてしまうという属人化のリスクもあります。

さらに、メディアやユーザーとの信頼関係は、地道なコミュニケーションを重ねてはじめて育まれるものであり、SNSやオウンドメディアでの発信はすぐに成果が出るものではなく、長期的な視点での運用が欠かせません。

このように、広報・PRは経営に欠かせない機能でありながら、内製だけでは成果を最大化しにくいことから、外部の広報・PRプロ人材に依頼をする広報業務委託の需要が高まっているのです。

●広報業務委託とは何か

内製のみの広報に壁を感じている企業が、現実的な選択肢として取り入れ始めているのが「広報業務委託」です。その役割やメリットと、PR会社との違いについて見てみましょう。


 ⚪︎広報業務委託の役割

広報業務委託とは、広報・PRのプロ人材に企業の広報機能の一部または全体を外注し、継続的に広報活動を行う仕組みです。

ともに戦略を考え、実行まで動く「外部パートナー」や「チームの一員」として、社内のリソース不足を補いながら、外部の知見を活かしつつ広報機能そのものを底上げするのが役割です。


 ⚪︎PR会社との違い

外注と聞くと、PR会社を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、広報業務委託とPR会社は、それぞれ特徴が異なります。

PR会社は「プロジェクト型・施策単位」の支援を得意としています。新商品発表や大型キャンペーンなど、特定のタイミングに合わせた大がかりなアプローチが中心で、費用は比較的高くなる傾向があります。

一方、広報業務委託は「継続的・インハウス補完型」のかたちをとります。日常の広報活動に寄り添い、社内の広報担当者のような立ち位置で中長期的に伴走しながら、戦略立案から実務まで幅広くカバーします。

必要な稼働に合わせて柔軟に契約できるため、コストを抑えやすい点もメリットです。

●広報業務委託でできること

広報業務委託では、あらゆる広報業務を外注できます。ただし、担当者によって得意な領域は異なります。ここでは主な5つの広報領域を紹介します。

 ⚪︎広報戦略の設計(方針策定、KPI設計)

企業のビジネスモデルやターゲットを分析し、認知拡大・採用ブランディング・信頼性向上など、目的に合わせた最適な広報方針を策定します。

また、メディア掲載数・WebサイトのPV数や回遊率・SNSエンゲージメント率など、適切なKPIの設計も行います。


 ⚪︎メディアリレーション

新聞・雑誌・テレビ・Webメディアとの関係構築も広報業務委託の効果を発揮しやすい業務。委託先のPRプランナーが持つ既存のメディアネットワークを活用したり、自社の事業領域に興味を持ってくれそうな記者をリサーチして個別にアプローチをしたりします。


 ⚪︎プレスリリースの企画・作成・配信 

新商品や新サービスの発表・人事情報・イベント開催などを、メディアが「記事として取り上げたい」と思うクオリティに仕上げます。事実の羅列ではなく、社会性やトレンドを交えた切り口やストーリーを企画し、適切な配信タイミングや配信先を選定して発信します。


 ⚪︎SNSやオウンドメディアの運用支援 

Instagram・Facebook・X・note・オウンドメディアなど、企業のキャラクターや属性に合わせたコンテンツの企画・投稿文の作成・トーン&マナーの管理などを支援します。


 ⚪︎危機管理広報(リスク対応)

不祥事・製品の不具合・SNSでの炎上など、企業ブランドを揺るがす緊急事態が発生した際の対応支援です。ガイドライン策定・謝罪文の作成・メディア対応のアドバイスなど企業の社会的信用を守るサポートを行います。


●なぜ広報業務委託は成果に繋がりやすいのか

多くの企業が広報業務委託を取り入れ、実際に成果を出しているのには、理由があります。ここでは、4つご紹介します。


 ⚪︎広報・PRプロ人材を即戦力として活用できる

社内で未経験者を広報担当として育成するには、最低でも6か月以上は必要です。担当者として十分な成果を出せるようになるには3年が目安とされています。

広報業務委託の最大のメリットは、これまで多くの企業で広報・PRを成功させてきたプロ人材が初日から社内担当者のように稼働するため、最短ルートで施策を実行でき、成果につなげられることです。


 ⚪︎メディアネットワークを活用できる

実績のない企業がメディアに突然連絡をしても、なかなか取材にはつながりません。広報業務委託なら、すでにプロ人材が特定のメディアや記者と関係性を持っていたり、新規メディアに取り上げられるコツを知っていたりいます。そのため、掲載に至る確率が格段に高まります。


 ⚪︎客観的な視点でストーリー設計ができる

外部の広報のプロは、業界を俯瞰したニュートラルな視点を持っているため、社内では気付かなかった世の中に受ける自社の強み(ニュースバリュー)を発見し、メディアやターゲットが興味を持ちやすい魅力的な切り口やストーリーを設計することができます。


 ⚪︎専門家に任せることで成果につながるまで継続できる

広報は会社が続く限り必要となるものです。継続が不可欠にもかかわらず、社内リソースだけで運用していると、広報業務は後回しになりがちです。外注を活用することで、社内の繁忙具合に左右されず、一定のペースと高い質を保ったまま広報活動を継続できるようになるのも大きなメリットです。

●広報業務委託を成功させるポイント

広報業務委託を成功させるためには、次の5つのポイントを押さえておきましょう。

 ⚪︎目的と期待値を事前にすり合わせる

売上を直接上げる、採用のために企業の認知度を上げる、資金調達に向けて社会的信用を構築するなど、目的によって、行うべき広報施策は異なります。目的を、委託先と共有することが広報業務委託を成功させる1歩です。

 ⚪︎情報共有の仕組みを整える

外部のパートナーが質の高い広報活動を行うためには、新商品の開発秘話・社内イベント・経営陣の想いなど社内の新鮮な情報が必要です。定例ミーティングやチャットツールで、外部チームが自社の内部の人間と同じスピード感で情報をキャッチアップできる体制を整えるのが理想です。


 ⚪︎中長期視点で評価する

広報は、費用を払えば明日成果が出るものではありません。メディア掲載本数などを短期的な数字で評価せず、6か月〜1年といった中長期の視点で評価することが大切です。


 ⚪︎担当者を固定し、関係性を構築する

広報の成果は、企業と委託先の信頼関係の上に成り立ちます。メンバーが頻繁に変わってしまうと、自社のビジネスへの理解が深まらず、発信の質が安定しません。メインの社内担当者を決め、密な関係が築けるようにするのがポイントです。


 ⚪︎内製と外注をうまく使い分ける

すべてを外注するのではなく、どこを自社で行い、どこをプロに頼るかの境界線を明確にするとさらに成果につながりやすくなります。役割を分担することで、社内にも広報のノウハウが蓄積され、より強固な広報体制をつくることができます。


●広報業務委託でPRに成功した事例

ここでは、実際に筆者が広報業務委託によってプロ人材としてサポートし、成果を出した3つの事例をご紹介します。


 ⚪︎成功事例1:Instagram運用を仕組み化し、半年でフォロワー13倍

Instagramを開設したものの、フォロワーが伸びず発信の方向性に悩んでいた医療機関を支援した際は、撮影自体は院内の広報担当のみなさまが行い、ベンチマーク分析・コンテンツをはじめとした企画設計・サムネイルデザインの統一・いいね活動を行うべきアカウントのターゲティングなど戦略部分を担いました。撮影は内製のまま運用方針を外部の知見で整えたことで、半年でフォロワー数が300人から4,000人へと拡大しました。


 ⚪︎成功事例2:地道な発信の積み重ねで年間15媒体以上に掲載

新商品の開発やイベント出展など、自社の取り組み自体は社内で進めていたものの、どう発信するかに課題を抱えていた食品メーカーさまの事例では、コンテンツの切り口やストーリー設計・プレスリリース作成サポート・メディアリレーション構築などを支援しました。丁寧に発信を続け、1年間で新聞・雑誌・ウェブメディアなど15媒体以上での露出を獲得しました。


 ⚪︎成功事例3:導入事例コンテンツの外部委託で継続率・新規受注率が向上

サービスの導入事例コンテンツの重要性を感じながらも、顧客へのインタビューから記事化までを社内リソースだけで継続するのは難しいと感じていたIT企業では、コンテンツ制作そのものを外部から支援しました。無理なくコンテンツを継続的に生み出せる体制が整い、導入事例を蓄積・発信し続けたことで、既存顧客の継続率と新規営業の獲得率の向上につながっています。

広報業務委託を取り入れる場合、企業の課題やフェーズに応じて適切な専門人材を選定することが重要です。

ココモンズでは広報戦略の設計から実行まで、各領域に強みを持つ広報・PRプロ人材の中から最適な人材をご紹介しています。広報体制の見直しや外部活用を検討されている場合は、ぜひ一度ご相談ください。



PROFILE

Y.K

2009年より米国NYCでPRアシスタントを経験。2012年に東京のIT系PR会社に入社し、PRライティング、プレスリリース、イベント運営、オウンドメディア運営などを担当。大手から中小企業まで幅広く支援。

2014年に独立、2016年に法人化。PR会社代表として、PR戦略立案、PR/SEOライティング、オウンドメディア構築、Webディレクションなど、PRとWebマーケティングを横断した事業を展開。

2020年に事業譲渡後、2023年より個人事業主として活動。法律事務所・医療機関・福祉事業者を中心に、プレスリリースやメディアリレーション、コンテンツPRを支援している。