社内のニュースを掘り起こすヒアリング術。広報・PRに活きる発信ネタを見つける方法を解説

広報・PR担当者の中には定期的に発信をしなければならないけれど、「社内にニュースがない」と感じている方もいるのではないでしょうか。
実は、ニュースの種は日常業務の中に数多く存在しています。クライアントとの何気ない会話・社内ミーティングでのやり取り・日々交わされるメールの一文。その一1つひとつにニュースが含まれています。
今回は、社内から広報・PRにつながるネタを掘り起こすためのヒアリングの考え方や見つけ方、ポイントを整理します。
⚫︎広報は「社内」からニュースを見つける仕事
広報というと、「新しい話題をつくる仕事」というイメージを持たれることがあります。もちろん、新規性のある企画を生み出すことも重要ですが、広報の役割はそれだけではありません。むしろ実務においては、すでに社内に存在している情報を、社会に伝わるかたちに整え、届けることが重要になります。
企業の中では日々、多くの意思決定や試行錯誤、現場の工夫が積み重ねられています。それらは社内では「当たり前の業務」として見過ごされがちですが、社外から見ると新しい知見や価値ある情報であることが少なくありません。一方で、広報が社外に新規性やインパクトの強い「ニュース」を探しに行こうとすると、かえってネタは見つかりにくくなります。「特別な出来事」や「大きな成果」ばかりを求めてしまうと、日常の中にある発信価値を見逃してしまうからです。現場で行われている業務や判断は、それ自体が企業独自の一次情報です。実際の業務の中で起きていることは、他社が簡単に再現できるものではなく、その企業ならではのストーリーになります。
だからこそ広報には、社外よりもまず社内を俯瞰的に見る視点が求められます。日常業務に目を向ける習慣があれば、発信のテーマは継続的に見つかり、見つけ方次第でネタ切れしない広報体制をつくることができます。
⚫︎なぜ社内からニュースが見つからないのか

「社内にニュースがない」と感じる企業は少なくありません。しかし実際には、ニュースの種が存在していないケースはほとんどありません。多くの場合は、ニュースの種となる情報が見つけづらいインタビュー方法になっている、あるいはそもそも見つけ方がわかっていないことが原因です。
社内ヒアリングや従業員へのインタビューでは、事実確認や結論を急ぐ質問が多くなりがちです。その結果、業務の背景にある変化や違和感まで踏み込めないまま会話が終わってしまいます。また、話す側の社員自身も、自分たちの業務を「当たり前のこと」と認識しています。
そのため、本来は発信価値がある話でも「ニュースになる内容ではない」と考え、インタビューでも深く語られないまま話題が流れてしまうことがあります。さらに、社内の会話のゴールは多くの場合「業務を滞りなく進めること」にあります。広報の視点がなければ、日常業務の中にある変化や挑戦に光が当たることはありません。結果として、日常の中に確かに存在しているはずのニュースが見過ごされてしまいます。つまり、社内にニュースがないのではなく、ニュースの種が見つけづらいインタビューをしている可能性があり、広報担当者もニュースの正しい見つけ方に気づいていないということです。
⚫︎社内の情報からニュースになり得るテーマ
社内には、メディアや社会が関心を持ちやすいテーマが多く眠っています。例えば次のような内容は、広報視点で整理やインタビューするとニュースにつながる可能性があります。
・クライアントがよくつまずくポイント
・最近増えている相談の傾向
・過去と比べて変わった実務の流れ
・現場では当たり前だが、他部署や社外にはあまり知られていないこと
こうした情報は、現場の担当者にとっては日常の出来事です。しかし社会の視点で見れば、業界の変化や市場のトレンドを示す重要な一次情報になることがあります。社内ニュースの見つけ方やインタビュー方法が理解できると社会から興味を持たれやすい情報発信が可能になります。
⚫︎専門家が「ニュースを見つける瞬間」
実際に広報の現場では、ニュースは意外な瞬間に見つかります。特別な発表資料の中ではなく、日常の会話の中から生まれることが多いのです。
例えばニュースの見つけ方は次のような瞬間です。
・事実確認の質問をしている中で、重要な背景が見えたとき
・何気ない一言に引っかかりを感じたとき
・現場での小さな違和感が言語化されたとき
・インタビューなどで社内の判断や決断の背景が語られたとき
・数字や成果に至るまでのプロセスが共有されたとき
こうした断片的な情報をつなぎ合わせることで、企業独自のストーリーが見えてきます。
⚫︎社内ヒアリングやインタビューで使える質問例

ニュースの種を見つけるためには、ヒアリングやインタビューの際の質問設計が重要です。
例えば次のような問いかけは、日常業務の中にある変化を引き出しやすくなります。
こうした質問は、単なる事実確認ではなく、現場の経験や判断の背景を引き出すためのものです。そこからニュースにつながる視点が見えてくることがあります。ニュースの見つけ方を理解したうえで、上記のような質問を投げかけることで、自社独自の情報が見つかる可能性はグッと高まります。
・最近やり方を変えた業務はありますか?
・想定外だった出来事はありましたか?
・他社と違うと感じる点はどこですか?
・社外の人に説明しづらい業務はありますか?
⚫︎社内ニュースは「聞き方」で見え方が変わる
発信につながる情報は、必ずしも特別な出来事の中にあるわけではありません。多くの場合、現場の変化や違和感の中にニュースの種があります。そのため広報には、事実確認だけで終わらないニュースを掘り起こす質問設計が求められます。社内の会話や従業員へのインタビューの中から価値ある情報を見つけ出し、社会に伝わるストーリーとして整理することが重要です。
しかし、社内のニュースの見つけ方や聞き方、そして社会への届け方などのノウハウは専門性が高く、一朝一夕で身につくものではありません。もし社内だけでは発信テーマの見つけ方が分からない場合や、ニュースの見つけ方、やインタビュー方法などがわからないときは、外部のプロフェッショナルの視点を取り入れることも一つの方法です。
社内に眠っているニュースを見つけ、発信につなげる広報の仕組みづくりについては、ぜひココモンズにご相談ください。

