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新規事業の広報・PRは何から始める?初期フェーズで優先すべきPR活動5選


新規事業の立ち上げ時に、限られた人員や予算の中で「何から手を付けるべきか」と頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。プロダクト開発や営業準備に追われる一方で、広報・PRはどうしても後回しになりやすい領域です。

しかし、事業立ち上げ初期の広報・PRは、単なる認知形成に留まりません。営業、採用、さらには資金調達など、経営活動全体の加速を左右する極めて重要な役割を果たします。そのため、広報・PRの準備は「事業が完成してから」ではなく、できるだけ早い段階から着手することが成功の鍵となります。

本記事では、新規事業におけるPRの心得から、最初の3か月で取り組むべきステップ、そして事業タイプ別に優先すべき具体的な施策を体系的に解説します。


●新規事業におけるPRの心得

新規事業を成功に導くためには、まず広報・PRに対するマインドセットを整える必要があります。

◯「認知ゼロ」からのスタートであることを自覚する

どんなに優れた新サービスやプロダクトであっても、知られなければ「存在しない」のと同じです。立ち上げ初期の認知形成は、事業の存続に直結します。社会からの認知が遅れるほど、営業や採用の現場で「まず会社やサービスを説明する」というコストが発生し、あらゆる経営活動のロスに繋がってしまいます。認知づくりは、すべての経営活動の「入り口」であることを忘れてはいけません。

◯情報発信の遅延を防ぐ「早めの準備」

開発にリソースが偏ると、ローンチ時に公式サイトの情報が不十分だったり、メディアに提供できる素材がなかったりと、発信の「初速」が遅れがちです。これは売上の立ち上がりだけではなく、メディアからの信頼、すなわちメディアリレーションズの構築にも悪影響を及ぼすため、「早く始めるべき投資」として意識することが何より重要です。

●新規事業PR:最初の3か月のステップ

立ち上げ初期の3か月は、土台作りと発信の連動が不可欠です。

  • STEP1:事業の存在意義を言語化する
    「この事業で解決したい課題は何か」を深掘りします。同業他社に説明するとしたら?専門知識のない人たちに説明するとしたら?一言で説明するとしたら?あらゆる角度から、事業の存在意義を言語化しましょう。

  • STEP2:誰に何を届けるか(Who・Value)を決める
    こんなボールペンを想像してみてください。「男性・40代・社会人向け」と「女性・10代・学生向け」。ターゲットが明確になればなるほど、商品やサービスの輪郭がはっきりとしてきます。どんな人に、どんなものを届けたいのかを言語化することが大切です。

  • STEP3:最初のファン10〜50人をつくる施策
    まずは最初のファンの獲得を目指し、積極的に発信しましょう。費用対効果に優れる手法のひとつが、SNSでのインフルエンサー活用です。狙ったターゲットに情報を届けやすいのも、SNSやインフルエンサーの強みと言えます。

  • STEP4:ストーリー+最小実績のパッケージ化
    新規事業にはストーリーが大切ですが、それだけでは不十分になる瞬間が訪れます。そこで次に大切になるのが「最小実績」です。売上、導入件数、ユーザー数。たとえ最初は小さな規模であっても、動いているという事実が、商品やサービスに説得力を与えます。

●【実践】事業タイプ別・新規事業PRの具体的ハウツー

◯BtoC事業:熱量と拡散をデザインする

  • インフルエンサーへのギフティング
    商品と共にブランドの背景や想いを綴った「ブランドレター」を必ず添えましょう。共感ベースの投稿を促すのが成功のコツです。

  • 「体験」の可視化
    体験会や先行イベントを企画し、SNSにアップしたくなる仕掛け(フォトスポット等)を用意します。

  • UGC(ユーザー投稿)の二次活用
    SNSで見つけた良い投稿は公式アカウントで紹介したり、LPに掲載したりして蓄積します。

◯BtoB事業:信頼と専門性を積み上げる

  • キラーコンテンツとしてのホワイトペーパー
    単なる製品カタログではなく、「業界の課題解決ガイド」を作成しましょう。

  • 「導入事例」の型化
    導入1社目からインタビューの許可をもらう動きを仕組み化しましょう。

  • 専門メディアへのコンタクト
    ターゲットが購読している業界専門誌の記者へ直接アプローチを行い、深い文脈でのメディアリレーションズを構築します。

●会社規模でどう変わる?新規事業PRの傾向

自社のリソースや立ち位置によって、戦略のアクセントを変える必要があります。

◯大企業

既存のネームバリューがあるため、メディア露出自体は獲得しやすい傾向にあります。

  • ポイント
    社内調整や整合性に時間がかかることが多いため、早めにPR計画を立てて動くことが重要です。

  • 打ち出し方
    単なる「新しい事業の紹介」だけでなく、その事業が企業の将来にどう関わるかという「事業意義」と、企業の「戦略性」をセットで打ち出すのが効果的です。

◯中小企業・スタートアップ

「なぜこの会社がやるのか」というストーリー性が最大の武器になります。

  • アプローチ
    ニッチメディア→業界メディア→マスメディアへと、階段を登るイメージで段階的にアプローチしましょう。口コミ戦略も非常に効果的です。

  • 打ち出し方
    創業者や担当者の熱い想い・ストーリーを前面に出すと、メディアやユーザーに届きやすくなります。プレスリリースでは「社会性・独自性」を強調しましょう。

◯小規模事業

限られたリソースを「信頼の証明」に集中させます。

  • ポイント
    実績がまだ少ない段階であれば、何よりも「専門性の証明」を優先します。

  • 打ち出し方
    プレスリリースは「新しい発見」や「社会的なトレンド」など、ニュース性があるタイミングを厳選して配信します。あわせてSNSでの地道な発信を通じて、ファンとの接点を維持しましょう。

●新規事業で絶対にやるべき「PR活動 5選」

  1. プレスリリースの継続配信
    単発で終わらせず、新機能や導入事例をこまめに配信し、常に「動いている」ことを示しましょう。


  2. メディアへの直接アプローチ(キャラバン)
    自社の事業領域に詳しい記者へ直接コンタクトを取り、なぜ今この事業が必要なのかという「社会的な意義」を伝えます。

  3. 代表者・開発者による「顔の見える」発信
    noteやSNSでリーダーの想いをオープンにし、機能面の訴求だけでは得られないファンや採用候補者の共感を呼びます。

  4. 信頼を補完する「第三者の声」の活用
    導入企業のインタビューや専門家のコメントを積極的に公開し、メディアが報じる際の強力な裏付けを作ります。

  5. ターゲットに合わせたSNSコミュニティへの参加
    ターゲットが集まる場での自然なコミュニケーションを通じて、熱狂的な初期ファンを獲得します。

●おわりに:戦略的な「導線設計」でPRにイノベーションを

新規事業の広報・PRは、戦略的なメディアリレーションズの構築が成功を左右します。プロダクトを「作る」ことと同じ熱量で、「伝える」ことにも投資することが、事業成長への近道です。どうしてもリソースが足りない場合は、外部パートナーを活用するというのも一つの手です。

アウルグループが提供する広報・PR人材専門の「ココモンズ」では、新規事業のフェーズに合わせた最適なチームを構築し、戦略立案から具体的な拡散施策まで伴走いたします。「社内にノウハウがない」「何から手をつければいいか迷っている」という方は、ぜひ一度、私たちの専門チームにご相談ください。

PROFILE

Maki.A

広報PR・コンテンツディレクター 「伝えたい想いやストーリーを、伝わる形に編集する」をテーマに、企業の広報PRからSNS運用、コンテンツ制作まで幅広くディレクションを担当。社会性の高い領域(教育・福祉・地域活性など)を得意とし、情報を作るだけでなく、届けるまでのコミュニケーションデザインを強みとする。7歳児ひとり、ねこ2匹と日々奮闘中。