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マスメディアに取材されるには?コネも実績もない企業のメディアリレーションズ入門


素晴らしい商品があるのに、知名度やコネがないからマスメディアに取り上げてもらえない……と、諦めていませんか?テレビや新聞などのマスメディアに取材されるためにもっとも重要なのは、人脈だけでなく、メディアが「今、報じたい」と感じる“ニュースバリュー”です。

本記事では、コネや実績がゼロの企業でも実践できるメディアリレーションズのステップや、取材につながるコミュニケーションの秘訣を解説します。


●メディア関係者の心を動かすには、ニュースバリューが重要

◯時事性と社会的背景

メディアが日々探しているのは、単に「良い商品」「便利なサービス」ではなく、読者や視聴者に今伝える必然がある情報です。そのため、自社の情報を発信するときは、まず「なぜ今なのか」「なぜ社会で必要とされるのか」を考える必要があります。

たとえば2026年であれば、物価高や人手不足、災害への対応、生成AIの活用といったテーマは、企業活動や生活に広く関わる社会的な関心事です。自社の商品やサービスが、こうした課題の解決や変化にどう関わっているのかを整理すると、ニュースとしての入口が生まれます。

重要なのは、トレンドワードを無理に付け足すことではありません。「人手不足が深刻な業界で、このような取り組みをしたことで作業時間を○%削減した」「災害時、避難所で生まれるこのような問題に対してこのサービスがどのように解決の一助となるのか」など、社会の動きと自社の事実が事実ベースでつながっていることが大切です。広報担当者は自社だけを見るのではなく、ニュースや統計、業界動向にも目を配り、「社会の関心」と「自社の取り組み」が交わるポイントを探し、メディアが「今、報じるべき理由がある」と思える情報を発信しましょう。

◯独自性と新規性

同じ分野に多くの企業が存在する中で、「他社でも言えること」「社会に既に存在していること」だけでは取材の理由になりにくいものです。そこで必要になるのが、自社ならではの独自性や新規性です。

業界初の仕組み、他では見ないビジネスモデル、従来とは異なる新たな取り組みなど、他社と比較したときに違いが見える要素を洗い出してみましょう。必ずしも世界初、日本初である必要はありません。地域では珍しい・業界の慣習を変えた・自社だからこそ実現できた、といった特徴も十分にニュースの種になります。

「自分たちにとっては当たり前」と思っていることほど、外部から見るとユニークな場合があります。営業担当者や顧客、取引先などに「当社の何が他と違うと思うか」を聞いてみるのも、自社の独自性を明確にする方法の一つです。

◯ストーリー性

数字や機能だけでなく、「なぜこの事業を始めたのか」「どのような壁をどうのやって乗り越えたのか」というストーリーも、取材のきっかけになります。特に人物を軸にした企画では、経営者や開発者の原体験、顧客との出会い、失敗から生まれた改善などが重要な材料になります。

たとえば「創業者自身が家族の介護で困った経験からサービスを開発した」「何度も試作に失敗し、地域の職人と協力して商品化した」といった具体的な背景があれば、商品のスペック紹介だけでは伝わらない物語が生まれます。そして読者や視聴者が共感し感情移入できるストーリーはメディアの目にも留まりやすいです。

ただし、メディアが求めているのは、事実に基づく具体的なエピソードですので、過度にドラマチックに脚色する必要はありません。メディアは宣伝的な要素には警戒心を持ちやすいため、あくまで等身大のストーリー作りを心掛けるとよいでしょう。

●コネなしから始めるメディアリレーションズのステップ

◯自社にマッチするターゲットメディアの選定

メディアはその媒体ごとに、ターゲットとなる視聴者・読者層の設定や、取り扱う情報のテーマがあります。そのため、まず「誰に」「どのような情報を」届けたいかを可能な限り具体的にイメージし、自社の情報と相性のよいメディアを選定しましょう。「テレビに出たい」「全国紙に取り上げられたい」と媒体規模だけで考えず、業界紙、専門誌、地域メディア、Webメディアなども含めての検討が必要です。その際、実際の記事や番組を確認し、自社と近いテーマがどのコーナーで、どのような切り口で扱われているかを見ることが第一歩です。競合他社や、上手に広報・PRをしていると感じる企業をベンチマークし、それらがどのようなメディアにどういった切り口で取り上げられているかを分析するのも非常に有効です。

◯担当記者の名前や連絡先を確認したり得たりする活動

媒体を決めたら、次は担当者を知る活動です。新聞や雑誌の記事であれば記者の署名、テレビ番組であればエンドロールにスタッフ名や制作会社が記載されています。最近は記者やフリーライターがSNSやnoteなどで情報発信していることも多いので、そうしたプラットフォームにも目を通しておくとよいでしょう。各種イベントや展示会のメディア招待、業界の勉強会など、能動的に名刺交換できる機会を活用する方法もあります。

大切なのは、連絡先を集めること自体を目的にしないことです。「この記者はどんなテーマを担当して取材しているのか」まで把握して初めて、意味のあるメディアリストになります。

◯メディアに価値を感じてもらうプレスリリースにする工夫 

プレスリリースは、会社が発表したいことを並べるだけの文書ではありません。記者にとっては「記事や番組にできるか」の企画が立てられるかを判断する情報源となります。

タイトルや冒頭でニュースのポイント(新規性や独自性など)を明確にし、社会的背景、具体的な数字、取材できる人物、撮影できる場所やモノなどを整理しておくと、取材後の完成形をイメージしてもらいやすくなります。

◯継続したプレスリリースやニュースレターの送付

一度送って反応がなくても「この情報はメディアに興味を持たれない」と落胆する必要はありません。メディアには毎日毎時間、大量のプレスリリースが届けられているため、1通1通にリアクションを返すことが難しいということも理解しておきましょう。

ニュースにはタイミングがあります。新商品だけでなく、調査データ、季節の話題、導入事例、社内のユニークな取り組みなど、複数の切り口で継続的に情報を届けましょう。

ニュースレターを活用し、「取材するほどではないが知っておいてほしい情報や自社の知見」を定期的に届けることも有効です。メディアへ継続的に最新情報をインプットすることで、記者が関連テーマの記事を企画する際に自社のことを思い出してもらえる可能性が高まります。

◯メディアとのコミュニケーション維持

メディアとのコミュニケーションは、記者という個人との信頼関係の構築です。名刺交換や一度の掲載を「ゴール」にせず、その後も相手の関心分野に合う情報があれば提供します。担当者の異動や媒体の企画変更もあるため、メディアリストは定期的に更新することが必要です。

接点を積み重ね、「この分野ならあの会社に聞いてみよう」と思い出してもらえる状態をつくることが、メディアリレーションズの本質です。

●メディアとの関係を長続きさせる正しいコミュニケーション

◯「売り込み」ではなく「情報提供者」になる姿勢

記者に毎回自社の“売り込み”をしていると、「営業連絡」と認識され、情報を見てもらいにくくなります。目指したいのは、自社の掲載に直結しなくても、業界動向や現場の変化について相談できる情報提供者です。

「このテーマなら他社の事例も含めて説明できます」「業界では今こういう変化が起きています」といった情報を提供できれば、取材先候補としての信頼が蓄積されます。

◯質問や取材依頼が来た際の迅速かつ誠実な対応の徹底

メディアの仕事には締切があります。特に新聞社やテレビ番組は、分単位で各所確認を進めているため非常にタイトなスケジュールで動いています。

問い合わせが来たら、まず受領したことを早めに返し、回答可能な時間を伝えましょう。分からないことを推測で答えず、確認が必要な場合はその旨を伝えることも重要です。

取材時に提供する数字や資料の正確性、社内の発言内容の統一も信頼に直結します。「すぐ返事が来て、正確な情報が得られる会社」は、それだけで次の取材候補になりやすくなります。逆に、せっかく良い情報を発信しているにも関わらず、対応が遅れたり、その場しのぎで誤った回答をしたりすると、取材の機会を失うことにもつながってしまいます。正確な情報を早く伝えるために、社内の確認フローの徹底、特に経営者にもすぐ確認が取れる体制の構築をしておきましょう。

◯記事は広告ではない 内容への干渉はできないことへの理解

報道は広告ではないため、企業側が内容を指定することはできません。「この商材についても書いてほしい」「このサービスの話を中心にしてほしい」といった要望は記者を困らせることになり、取材対象として避けられてしまうことにもなります。また取材後に、記者によっては確認のため事前に記事を見せてくれることがありますが、これはあくまで名称や数値の事実確認であり、発言の訂正や文章の校正はできません。報道内容への干渉は基本的にはできないことを理解し、また社内にも周知しておきましょう。

◯掲載後に信頼関係を深めるアフターフォロー

掲載・放送後は、まず取材へのお礼を簡潔に伝えましょう。その後、新しいデータや関連情報が出たときに改めて連絡することで、一度きりの接点を継続的な関係へ育てられます。社内でも掲載内容や担当者とのやり取りを記録し、担当者が変わっても関係性を引き継げるようにしておきましょう。

●メディアリレーションズよくあるお悩み

◯メディア開拓をインハウスで実現するのが難しい

メディアリレーションズは、媒体研究、企画づくり、リスト整備、情報提供、取材対応と、成果が見えるまでに多くの時間を要します。特に未経験の担当者が通常業務と兼任している場合、「リリースは送っているが反応がない」「どの媒体に何を提案すればよいか分からない」という“改善のためのコツがつかめない”状態に陥りがちです。

経験を積めば社内でも実践できますが、最初の型をつくるまでには専門的な知識が必要となります。

◯大手PR会社への外注で発生する費用が高い

専門会社への外注は有効な選択肢ですが、継続的な契約では相応の予算が必要になります。特に中小企業や広報活動を始めたばかりの企業にとっては、毎月の固定費が大きな負担になることもあります。

必要な業務や期間を整理せずに依頼すると、コストに対して社内にノウハウが残らないという課題も生まれます。

◯単発の掲載で終わり、継続的な関係に発展しない

運よく一度取材されたとしても、その後の情報提供が途切れれば関係もそこで止まります。掲載実績を増やすことだけでなく、「どの担当者が、何に関心を持ち、どの情報が役立ったのか」を記録し、次のコミュニケーションにつなげることが重要です。

メディアリレーションズは、掲載件数を追う短期施策ではなく、企業の情報発信力を育てる中長期の活動として考える必要があります。

●即戦力の広報・PRプロ人材に業務委託する賢い選択もある

◯業務委託ならメディアの現役の記者とつながっているプロもいる

社内だけでメディア開拓を進めるのが難しい場合は、広報・PRの実務経験を持つプロ人材を業務委託で活用する方法があります。経験者の中には、特定業界の記者や編集者の関心分野を理解し、適切な提案方法を知っている人材もいます。

単に「知り合いがいる」ことではなく、媒体ごとの特性や取材現場の判断基準を理解していることが大きな強みです。

◯コネや実績がなくても、ゼロからメディアリレーションズができる

自社に既存のメディア人脈がなくても、広報・PRプロ人材とともにターゲット媒体の整理、ニュース素材の発掘、メディアリストの構築、プレスリリース作成などを一から進めることができます。

最初から大きな露出だけを狙うのではなく、自社と親和性の高い媒体との接点を一つずつ増やしていくことで、再現性のある広報活動につながります。

◯自社にノウハウが残る伴走型の関係構築ができる

広報・PRプロ人材に業務をすべて任せきりにするのではなく、企画会議やメディア選定、取材対応を社内担当者と一緒に進める伴走型であれば、実務を通じてノウハウを自社内に蓄積できます。

将来的にインハウス広報を強化したい企業にとっても、「まずプロと一緒に型をつくり、社内で回せる部分を増やす」という進め方が現実的です。

◯プロ人材の支援でメディアリレーションに成功した事例

女性向けBtoC商材を製造・販売するある企業では、新商品をアピールするプレスリリースは発信していたものの、特にメディアからリアクションが来ることもなく、広報活動に限界を感じていました。また、「テレビや新聞に取り上げられたい」という大きな目標は持っていたものの、どのようなコーナーがあるのかなどのメディア分析は全く行われていませんでした。

そこに広報・PRのプロ人材が入り、まず発信する情報の整理から行いました。すると、商品そのものだけでなく、その販売戦略や海外での販路開拓に非常に独自性があることを見出すことができました。そうしたビジネス視点での情報発信を増やすことで、まず業界紙から注目を集め、取材・掲載を獲得することができただけでなく、のちに全国経済紙が日本企業の海外戦略を特集した際に中小企業の成功事例として大きく取り上げられることとなりました。

 

マスメディアに取材されるためにコネや実績が必要と考えている企業は多いですが、いまできることを実践している例は多くありません。メディア掲載に一番必要なのは「メディアと視点を合わせること」であり、そのためにどのような価値ある情報を発信するかです。

ココモンズには、メディアに対する深い知見と経験値をもつ広報・PRのプロ人材が多く所属しています。その中には多くのメディア記者との人脈を持つプロ人材も少なくありません。

メディア掲載に向け伴走型の広報・PRプロ人材をお探しの方は、ぜひココモンズにご相談ください。

PROFILE

V.Echo.

1992年よりエンタメ業界でメディアリレーションおよびメディアプランニングに従事。2017年よりPR会社にてBtoB事業を行う中小企業を中心に、幅広い業種の広報・PRをサポート。特にメディア戦略やメディアリレーションズ、広報体制の構築支援を得意とする。現在は独立し、PRコンサルタント/メディアコーチとして活動。