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採用広報、うまくいく会社とうまくいかない会社の違いは?広報・PR担当者の役割がポイント!


採用広報がうまくいく会社とそうでない会社の差は、どこにあるのでしょうか。実は、予算や発信量だけがその違いというわけではありません。同じくらいの規模で、同じくらいのコストをかけていても、片方は候補者に響き、片方は響かないケースは珍しくありません。

うまくいく会社とそうでない会社にはさまざまな違いがあります。とくに、広報・PR担当者がどれくらい関与しているかがポイントです。
本記事では、うまくいく会社とうまくいかない会社に多いパターンを整理し、採用広報の質を高めるためにできることを解説します。


●採用広報がうまくいく会社の傾向

採用広報の成功を実現している会社の発信を見ると、まず気づくのはターゲットの解像度の高さです。どのような価値観を持ち、どのようなキャリア観を抱く人に関心を持ってほしいのか、誰の心に刺さる発信を目指すのか。その輪郭が明確であるほど、コンテンツには一貫した方向性が生まれ、読み手にも響きやすくなります。これは採用広報で抑えるべきポイントの中でも最も基本的でありながら、最も見落とされやすい要素です。

ターゲットの解像度を高めるためには、社内の現場を深く知る必要があります。だからこそ、うまくいく会社は採用広報を人事部門だけの仕事として閉じ込めず、社内全体の協力を引き出しています。各部署の内情や働く社員の声をヒアリングできる体制が整っており、発信に厚みと説得力が宿るのです。社員一人ひとりが採用広報の担い手であるという意識が浸透しているのも、こうした会社に共通する特徴と言えるでしょう。

成果の捉え方にも明確な違いがあります。採用広報の上手な企業は、短期的な応募数だけで判断するのではなく、中長期的にブランドを育てていく採用ブランディングの発想を持ち、採用活動そのものを広報の延長線上で位置づけています。企業理解を深めてもらう発信を重ね、自社を好きになってもらうプロセスを意図的に設計しているからこそ、応募してきた時点ですでに候補者の志望度が高い状態になっている。これが採用広報の成功する会社の理想的な姿です。さらに、応募数という単一の指標だけに頼らず、記事の閲覧数や滞在時間、SNSでの反応といったコンテンツ指標も丁寧に追いながら、内容を継続的に調整していく仕組みが社内に根づいています。データに基づくこうした改善サイクルこそが、採用広報の成功を長期的に支える土台となっているのです。


●採用広報がうまくいかない会社に多い共通点

ここまでうまくいく会社の特徴を見てきましたが、対照的に、なかなか成果が出ない会社にもいくつかの共通点が見られます。最も多いのは、採用担当者だけで発信を完結させてしまっているケースです。日々の採用業務に追われながら片手間で発信を行うため、どうしてもコンテンツの質や継続性に課題が残ってしまいます。

その結果として、発信の中身が条件説明に終始してしまっているのも、よく見られるパターンです。給与や勤務地、福利厚生といった情報は確かに重要ですが、それだけでは候補者の心は動きません。採用ブランディングという視点が抜け落ちた発信は、競合との差別化にもつながりにくいのです。さらに、発信のテーマやトーンに一貫性がなく、その時々で言っていることがバラバラに見えてしまう会社も少なくありません。これでは採用ブランディングの土台そのものが揺らいでしまい、求職者に不信感を与えかねません。

加えて、会社側の目線や言葉だけで語られてしまっている発信も、候補者には響きにくいです。自社が伝えたいことばかりが前面に出てしまい、候補者が本当に知りたいことに応えられていない発信は、どれだけ量を出しても読み手の心には届きません。また、チャネルごとの特性を理解しないまま、同じ内容をあちこちに転載するだけになっているケースも、成果につながりにくい典型例と言えるでしょう。

●PR視点が加わると採用のための発信が変わる

こうした課題を解きほぐす鍵となるのが、広報・PRの視点です。採用広報におけるPRの役割を考えるうえで、まず大きいのは候補者目線で魅力を編集できるようになることです。同じ内容でも、それが「勧誘」に見えるか「読みたい記事」に見えるかには大きな差があり、その差を生み出すのがPR視点です。読み手の立場に立って素材を選び、構成を組み立てる力は、広報・PR担当者が日々磨いている専門性そのものと言えます。

PRの視点が加わると、採用をカルチャーやビジョンと連携させられるようになる点も重要です。会社全体を俯瞰した発信設計ができると、採用広報は単なる求人情報の発信を超えて、ブランドストーリーの一部として機能し始めます。これこそが採用ブランディングの本質であり、PR担当者が果たす中核的な役割です。そしてその過程で、社員や現場の声を、ただのインタビューではなく「読ませるコンテンツ」へと変換できるのも、広報・PR担当者ならではの強みです。切り口や構成、見出しの設計次第で、読了率も共感度も大きく変わります。広報・PR担当者は、まさに「読ませるコンテンツ」をつくるプロなのです。

さらに、どのチャネルで何を発信するかを戦略的に設計できることも見逃せません。SNS、オウンドメディア、プレスリリースなど、それぞれの媒体には固有の特性があります。届けたいターゲットがどこにいて、その場所ではどのような形が届きやすいのか。そうした判断を踏まえた発信ができるようになるのです。あわせて、社会の文脈やタイミングを意識した設計ができることも、広報・PR担当者ならではの得意領域です。世の中のトレンドや時代の空気に発信を乗せていく感覚は、一朝一夕に身につくものではなく、長年の経験のなかで培われる、PRの専門職ならではの感性が問われる部分と言えるでしょう。

●採用広報を成功に近づけるためにできること

ここまで見てきた内容を踏まえると、自社の採用広報を成功に近づけるために何をすべきかが見えてきます。まず取り組みたいのは、誰が発信を担うべきかを見直すことです。採用担当者だけで抱え込んでいないか、広報・PRの視点を持つ人材が関われる体制になっているかを点検してみてください。発信の担い手を変えるだけで、コンテンツの質は大きく変わります。

そのうえで、採用広報は採用ブランディングそのものであるという認識を社内で共有することが重要です。単発の求人情報の発信ではなく、企業全体のブランドを育てる活動として位置づけることで、発信の質も継続性も大きく変わってきます。同じ流れで、採用活動だけを切り離して考えるのではなく、企業広報全体の一部として位置づけることも欠かせません。社外への発信と採用広報が同じ世界観で語られていることが、企業ブランドの一貫性につながっていくのです。

そして、すぐに結果を求めすぎないことも、採用広報の成功を実現するうえで重要なコツです。採用広報は短期間で劇的な変化を生むものではなく、継続して発信を積み重ねることで少しずつ信頼が育まれていきます。あわせて、発信した内容は出して終わりにせず、データや反応を見ながら質を継続的に見直していく姿勢も欠かせません。閲覧数や滞在時間、SNSでの反応などを定期的に振り返り、改善し続ける仕組みを持つことが大切です。社内にリソースやノウハウが十分にない場合は、広報・PRのプロの力を借りるという選択肢も、有効な手段の一つとなります。


●広報・PRプロ人材のサポートで成功した採用広報事例

ここからは、実際に広報・PRプロ人材のサポートを受けることで採用広報の成功に近づいた3つの事例をご紹介します。いずれも、業界特有のイメージや先入観に苦しんでいた企業が、発信の切り口と設計を見直すことで状況を打開したケースです。

成功事例1 大手機械メーカー:理系女性にフォーカスして技術者採用を立て直した取り組み

最初にご紹介するのは、ある大手機械メーカーの事例です。この会社では、いわゆる理系離れが進むなかで技術者の採用に苦戦しており、なかでも女性技術者の採用には長年にわたって大きな課題を抱えていました。求人を出しても応募者の母集団そのものが男性に偏ってしまい、女性が活躍できる環境をどれだけ社内で整えても、その実態が社外に伝わっていなかったのです。

そこで広報・PRプロ人材のサポートのもと、いわゆるリケジョ(理系女子)にフォーカスを当てた採用広報を展開する方針を打ち出しました。社内で活躍する女性技術者の姿を可視化し、採用サイトと外部メディアの両方から発信することで、業界における同社の見られ方そのものを変えていくことを狙ったのです。採用サイトでは、現役で活躍する女性技術者へのインタビュー記事を継続的に掲載し、入社の経緯やキャリアパス、ライフイベントとの両立、技術者としてのやりがいまでを丁寧に紐解いていきました。一人ひとりが歩んできた道のりや、現場で技術と向き合う姿勢を、本人の言葉で誠実に伝えていったのです。並行してメディアへの働きかけも積極的に行い、女性技術者を取り上げた特集記事や業界誌での紹介記事の獲得にもつなげていきました。

その結果、これまで自社を選択肢に入れていなかった層からの応募が着実に増え、女性技術者の採用数も伸びていきました。「ここなら自分も働ける」という具体的なイメージを候補者に届けられたことが、状況を動かす決定打になった採用広報の成功事例といえます。


成功事例2 大手保険会社:営業職のイメージを刷新し共感を呼んだ採用広報

次にご紹介するのは、ある大手保険会社の事例です。保険営業という職種に対しては、世間にネガティブなイメージが根強く残っており、採用活動においてもそれが大きな障壁となっていました。実際の仕事内容ややりがいが正しく伝わらないまま、応募の段階で敬遠されてしまうケースが少なくなかったのです。

そこで取り組んだのが、保険営業の本来の姿、すなわち顧客の人生に寄り添う真のパートナーであるという価値観を、採用広報の中心に据えることでした。職種への先入観を覆すには、現場のリアルな姿と企業としての社会的な姿勢を、両輪で伝えていく必要があると考えたのです。これは採用ブランディングの考え方をそのまま体現する取り組みでした。採用サイトでは、社内イベントの様子や営業パーソンの日々の働き方をつぶさに発信し、現場で活躍する社員へのインタビュー記事も丁寧に積み重ねていきました。数字や成績だけでは語れない、顧客との関係性の築き方や仕事への向き合い方を、社員自身の言葉で伝えていったのです。

並行してメディアへの働きかけにも力を入れ、同社の社会的な取り組みやビジョン・ミッションに沿って展開しているさまざまな活動を記事として発信し、求職者の目にも触れることを意識しながら掲載を獲得していきました。

その結果、応募者からは「これまで抱いていた保険営業のイメージとはまったく異なる姿に魅力を感じた」という声が多数寄せられるようになり、応募数も着実に増加していきました。先入観を覆す発信が候補者からのイメージ改善につながり、新たな層を惹きつけた採用広報の成功事例といえます。

成功事例3 金融関連サービス会社:オウンドメディアとWEBメディアでの社長インタビュー記事で中途採用を活性化させた成功例

最後にご紹介するのは、ある金融関連サービス会社の事例です。この会社は中途採用に苦戦しており、その背景には業界全体への先入観と、企業そのものに対する「昭和的な堅い会社」というイメージが横たわっていました。実態は、中途入社者が多く柔軟な働き方が浸透し、オフィスもデザイン性の高い空間が広がる、きわめて現代的な企業だったにもかかわらず、その姿が候補者に届いていなかったのです。

そこで打ち出したのが、社長自身が前面に立って会社の姿を語る発信と、オウンドメディアを通じた社内実態の可視化を、両軸で進めていく方針でした。経営トップの言葉と現場の声を組み合わせることで、企業イメージを根本から刷新していくことを狙った、まさに採用ブランディングの王道といえる取り組みです。まずWEBメディアへの働きかけを積極的に行い、社長インタビュー記事を多数獲得していきました。記事のなかで社長自らが、自社がオープンで自由な会社であること、そしてそのカルチャーを実現するために自らどのような変革を進めてきたのかを、自身の言葉で丁寧に語っていったのです。

並行してオウンドメディアでは、オフィスの設計コンセプトから内部の様子までビジュアル化して紹介し、中途入社した社員のインタビュー記事をほぼ全職種にわたって展開していきました。誰もが知る大手企業から、自由でフラットな社風に惹かれてこの会社に転職することを選んだという社員のリアルな声を、職種ごとに積み重ねて発信していったのです。

その結果、オウンドメディアを起点に求職者からの応募が大きく増加し、中途採用市場における同社の見られ方そのものが変わっていきました。採用時のアンケートでは求職者の多くが社長インタビュー記事を事前に読んでいたことが明らかになり、入社したメンバーからも「記事を通じて会社のことが具体的にわかり、入社の決め手になった」という声が数多く寄せられました。経営トップ自らの発信と現場の声を組み合わせ、実態と外部イメージの乖離を丁寧に埋めていくことの効果を象徴する採用広報の成功事例といえます。

●採用広報の知見を持つプロ人材に外注するのも一つの手

3つの事例からも見えてきたように、採用広報の成否を分けるのは、予算や発信量よりも、誰がどのような視点で発信を設計するかという部分にあります。とはいえ、すべての企業が社内に広報・PR担当者を抱えられるわけではありませんし、専任の人材を育てるには時間も労力もかかります。

そうしたときに有効なのが、採用広報を外注するという選択肢です。採用広報の外注メリットは、いくつもの側面で大きな効果を発揮します。

まず、社内では得にくい専門的なノウハウや客観的な視点を取り入れられること。次に、自社の魅力を第三者の目線で発見し、候補者に届く言葉へと翻訳してもらえること。さらに、社員のリソースを採用業務本来の領域に集中させながら、発信の質と継続性を担保できることも見逃せない採用広報の外注メリットです。社内に専任のPR担当者がいなくても、外部のPRエージェントや広報の知見を持つプロ人材のサポートを受けることで採用広報の質は大きく変わります。

実際、採用広報の成功を実現している企業の多くが、外部パートナーとの協働によって発信の幅を広げているのです。

ココモンズでは採用広報の戦略の設計から実行まで、各領域に強みを持つ広報・PRプロ人材の中から最適な人材をご紹介できます。発信の方向性に悩んでいる方、何から手をつけてよいかわからない方は、ぜひ一度ココモンズへご相談ください。

PROFILE

KASKA

広報アドバイザー/PRプロデューサー・PRプランナー PR会社および事業会社において、22年にわたり第一線で広報・PR業務に従事。スタートアップからグローバル企業、第三者団体、自治体まで、幅広い業界・業種を対象に、広報戦略の立案および広報活動全般の支援を手がけている。 企業や団体の価値を社会に伝えるコンテンツPRを軸に、メディアリレーション、ストーリー開発を強みとし、オウンドメディアを活用した情報発信やブランディング支援にも豊富な実績を持つ。広報戦略の設計から、メディアアプローチ、コンテンツ企画、危機管理、社内広報までを一貫して支援できる点を特徴とする。