ゴールデンサークル理論
ブランディング、マーケティング、ビジネス、PR
アウルでは、ブランドが社会との持続的なエンゲージメントを築くことを目指し活動しています。 メディア露出の獲得にとどまらず、戦略に基づいたクリエイティブ、デジタルコミュニケーション、体験イベントなどを用いた統合コミュニケーションを駆使し、ブランドの進化を総合的に支えてまいります。ゴールデンサークル理論は、それらをプランニングする際のメソッドの一つといえます。
ゴールデンサークル理論とは
ゴールデンサークル理論は、2009年のTEDトークでサイモン・シネック氏が提唱した理論で、Appleをはじめとする「イノベーションを起こす企業が共通して持つ特徴」として紹介されました。 たとえば、商品を販売する際の一般的な伝え方は「WHAT(何を)」→「HOW(どうやって)」の順で、「商品のスペックや魅力」が重視され、「WHY(なぜ)」は省略されがちです。 しかし、ゴールデンサークル理論では、その順番は逆であるべきとされています。企業や個人が影響力を持つためには、外側から内側に向かう通常の「WHAT(何を)」からではなく、内側から外側に向かう「WHY(なぜ)」から始めることで、深い共感を得られると説いているのです。

ゴールデンサークル理論
1. WHY(なぜ)
組織や個人が存在する根本的な目的や信念。ここに共感を作れると、長期的な支持を得るカギとなります。
2. HOW(どうやって)
「なぜ」を実現するためのプロセスや方法。差別化のポイントや独自のアプローチがここで示されます。
3. WHAT(何を)
提供する商品やサービス、具体的な成果。多くの組織がここから伝えがちですが、シネック氏はここに至るまでの理由のほうが重要だと主張しています。
ゴールデンサークル理論では、企業やリーダーはまず「なぜ」を明確にすることで、人々の心に響くメッセージを伝え、結果として信頼やロイヤリティを築くことができるとされています。
ゴールデンサークル理論がマーケティングに役立つ理由
TEDトークの中で、サイモン・シネック氏は「ゴールデンサークル理論は、生物学的に理にかなっている」と述べています。人間の脳は二重構造になっており、「大脳新皮質」と「大脳辺縁系」に分かれています。外側の大脳新皮質は「言語や論理、分析」を司る部分で、内側の大脳辺縁系は「感情と行動、意思決定」を担当する部分です。 シネック氏は、まず「WHY(なぜ)」を伝えることで、この「行動を決定する」大脳辺縁系に直接働きかけることができると主張しています。「WHY」は、聞き手の価値観や信念に訴えかける「大脳辺縁系への刺激」であるため、「WHY」で感情を刺激してから「HOW」「WHAT」を伝えることにより、行動につながりやすくなるのです。
人間の脳の構造

このように、ゴールデンサークル理論は、脳の構造と人間の意思決定プロセスに合わせたアプローチを可能にするため、マーケティング戦略として非常に効果的とされています。 ゴールデンサークル理論をマーケティングで活用することで、商品へのファンづくりや購買へ向けての動機づけに役立つでしょう。
ゴールデンサークル理論のブランディングへの活用
ゴールデンサークル理論を、ブランディングに活用する方法をご紹介していきます。 まず、ゴールデンサークル理論の「WHY, HOW, WHAT」を企業活動に当てはめてみましょう。
WHY(なぜ)=ビジョン・ミッション
ブランディングにおいて最初に語られるべきなのは、「WHAT:商品・サービス」ではなく「WHY:ビジョン・ミッション」であるということがわかります。 ブランドやコーポレートアイデンティティの根幹である「ビジョン・ミッション」が語られることによって消費者は共感し、感情的なつながりや信頼を感じやすくなるのです。
HOW(どうやって)=ビジネスモデル(強み)
アピールしたい商品・サービスの強みや、他社との差別化ポイントを明確にします。「WHY」で共感した顧客は、「HOW」によりメリットや魅力を実感できるでしょう。
WHAT(何を)=商品・サービス
最後に「WHAT」で、商品・サービスそのものについて語ります。説明をするときは、「WHY」のビジョンやミッションが、どのように実際の商品やサービスに落とし込まれているかを合わせて説明するとよいでしょう。
このように、ゴールデンサークル理論をブランディングに活用することで、ブランドは単なる製品やサービス以上の価値を提供し、消費者の心に深く訴えかけることができるのです。
ゴールデンサークル理論をビジネスで活用する
ゴールデンサークル理論の重要なポイントは「 WHY(パーパスや信念など)に共感してもらうと、“味方”になってもらえる」という点です。 マーケティングやブランディングへの効果は前述どおりですが、これを応用することで、普段の業務でも役立てることができます。
例:ワークショップやプレゼンテーションへの応用
ワークショップを行うときにまず大事なのは「参加者の注意を引くこと」ではないでしょうか。 多くのワークショップが「何をするか」の説明に始終してしまい「なぜ」の説明が足りません。参加者が「なぜ」を理解することで、初めてワークショップへの共感や主体性が生まれるといえます。

プレゼンテーションも同様で、「なぜこのプレゼンテーションを行うのか(目的とゴール)」という大前提を共有することで、参加者の注意を引きつけることができるでしょう。
このように、参加している多くの人数に行動を起こさせる必要があるケースで、ゴールデンサークル理論を活用することができます。
PRに強いアウルのゴールデンサークル理論活用方法
PR会社の最大の強みは、メディアやインフルエンサーとの強固なリレーションです。この力は、情報の拡散だけにとどまらず、ブランドの「WHY(なぜ存在するのか)」を伝え、共感を生み出す重要な役割を果たします。 しかしながら、いくら強固なメディアリレーションを持っていても、多額の広告出稿予算を持っていても、ブランドのメッセージが曖昧であれば、ターゲットの心には響きません。

そこで私たちは、ゴールデンサークル理論を軸に、ブランドの核となる「WHY」から戦略を設計。メディア露出を目的としたPR施策ではなく、企業の存在意義を明確にし、ブランドと社会の持続的なエンゲージメントを生み出します。 「何を伝えるか」ではなく、「なぜそれを伝えるのか」。 この本質を捉えることで、ブランドの価値はより強く、深く浸透していきます。


